寿司屋の大将、釣り日記

先週の金曜日にお預かりした815gのトラフグ。

約8日間の熟成を経て、昨日刺身に。

活きたままの状態で持ち込んでくれたので、活締めにして、しっかりと血抜きができている。

身の色がとても綺麗。

弾力が残っていたので、やや薄目に切り付け。

小さめの魚体だったから、とれる身の量が少ないのが心配だったが、なんとかいつもの皿1面に広げることができた。




正直なところ、もう少し寝かせても良かったが、きょうが約束の日だったので刺身に調理。

やはり活締め・血抜きがしっかりしていると、長期熟成に耐えられる様だ。

では、このフグの旨さがイマイチなのかと問われれば、決してそうではない。

このフグは、これはこれで旨いのである。

刺身の熟成は、「こうでなければいけない」という正解は無い。

「長期熟成した刺身しか食べない」とか、「熟成が浅いうちは旨くない」とか決めつけた考え方は、フグの味を楽しむ為の視野を狭くする。

例えば、同じトラフグでも、熟成の方法や期間等により、様々な味があり、何通りもの旨さを楽しめる。

その何通りもの旨さのなかで、自分が知らなかった旨さを見つけられたとすれば、それはとても幸せなことだろう。

ここには、ワインの味わい方・楽しみ方と同じようなものがある。

この正解の無い旨さは、ずっと楽しめる素晴らしい旨さである。






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すし会席鮮太
静岡県湖西市新所原2－6－27
TEL053－577-1797
火曜定休（他、平日に不定休有）
公式HP https://www.sushikaiseki-senta.jp/